岩尾俊兵さんの『世界は経営でできている』（講談社）を読んで、心がざわついた。
仕事が空回りしたり、将来がモヤモヤしたり—そんな毎日の不調を、「経営」という視点で解き明かしてくれる本だ。
岩尾さんは、現代社会で刹那的で利己的な行動が広がっていると警告する。例えば、他者を出し抜いたり、短期的な利益を追いかけることが「経営」だと勘違いしがちだけど、それは本質を見失ってるだけなんだって。
私たちの人生も、そういう落とし穴にハマりがちだよね。お金や地位を追いかけて、気づけば幸福や充実感が遠ざかってる。でも、岩尾さんは優しく希望をくれるんだ。人生を「経営」として見直せば、自分と周りの幸せを両立できる道があるよって。たとえば、日々の選択や人間関係を「どんな価値を生み出せるか」で考えてみたら、不条理が減って、もっと豊かな毎日が築けるかもしれない。この視点にドキッとしたなら、もしかして「私もどこかで道を間違えてたかな」「これからどうしようか」って心が動いたのかもね。
現代社会と、私たちが抱える「ズレ」
岩尾さんがずっと問いかけるのは、「目的と手段の転倒」。手段が目的にすり替わると、なんかおかしいなって感じること、増えるよね。
科学だと論文数に追われて新しい発見がおざなりになったり、人生だとお金稼ぎに必死で幸せが後回しになったり。私も、忙しくて「これ何のためにやってるんだっけ？」って思う瞬間、あるよ。
今の日本や世界も、そんな「ズレ」が目立つ。少子高齢化や働き方の課題が山積みなのに、政府は「経済成長」に囚われて、国民の幸福や環境が置き去り。
企業は利益や株価ばかり気にして、働く人の健康や未来への投資が二の次。教育だって、「良い大学」がゴールになって、学ぶ楽しさがどこかへ行っちゃう。
本当の目的—みんなが豊かに暮らすことや、自分の可能性を広げること——を見失ってないかなって、ちょっと立ち止まって考えてしまう。
歴史は、私たちへの「ヒント集」
岩尾さんの視点で歴史を見ると、「経営」が見えてくる。
歴史って、国や人が価値を創ろうとした記録だよね。でも、「目的と手段のズレ」が起きると、衰退が待ってる。「沙羅双樹の花を探さなくても、歴史の教科書には盛者必衰の理が山ほどある」っていう言葉、グサッとくるよね。
平安時代: 貴族は文化より権力争いに夢中になって、武士に時代を譲っちゃった。
幕末: 幕府は鎖国に固執して滅びたけど、明治は新しい価値を取り入れて強くなった。
ローマ帝国: 軍事ばかり優先して、内側がボロボロになって崩壊。
「目的を忘れた国は滅びる」って、歴史が教えてくれる。私たちも今、同じ道を歩いてないか、ちょっとドキドキするよね。
「枠にはまる人」と、私たちの日常
岩尾さんが言う「非コペルニクス的学者」って、既存の枠に囚われて、本来の目的を見失う人たち。
日本の研究者は書類に追われて冒険的な研究ができなかったり、企業は失敗を避けて新しい挑戦を諦めたり、学校は偏差値ばかり気にして好奇心が育ちにくかったり。コペルニクスやガリレオみたいに、枠を破った人たちが価値を生んできたのに、ね。
政府: 安全な研究に予算を集中させて、大きな課題への答えが遠ざかる。
企業: 現状維持を選んで、変化についていけなくなる。
教育: 正解を求める子が増えて、「なぜ？」が減っちゃう。
私たちの毎日はどうだろう？「こうすべき」に縛られて、本当に大事なことを見逃してないかな。
今の日本を一緒に考える——そして変える一歩を
今の日本、ちょっと心配だよね。
政府は安定ばかり気にして、少子高齢化や気候変動への対策が遅れる。企業はリストラや現状維持に走って、新しい芽を摘んじゃう。外国人労働者に頼りながら、「仲間」として迎えるのはためらう。2060年には人口が8,700万人まで減るって予測もあるのに、「日本らしさ」に固執して、「この国をどう続けていくか」を見失ってる気もする。幕末の幕府みたいだなって、思う瞬間があるよ。
でも、岩尾さんの言葉は暗くならない。「本来の経営」を取り戻せばいいんだって。たとえば、信長は「人が足りないなら増やせばいい」とシンプルに解決したし、江戸の商人は少ない資金で橋を架けてみんなで幸せを分けた。私たちも、「足りない」を嘆くより、「何を創れるか」を考える方がワクワクするよね。小さなことから—友達との時間をどう楽しくするか、仕事でチームに何を残せるか—始めてみたら、少しずつ変わるかもしれない。
人生も、私たちの手で創るもの
『世界は経営でできている』は、経営を遠い話じゃなくて、生きる知恵として感じさせてくれる。平安貴族の和歌、信長の潔さ、江戸商人の優しさ—歴史のエピソードが、「私にも何かできるよ」って背中を押してくれる。読んでて、「不条理に落ち込むより、自分で価値を創りたい」って気持ちが湧いてきたよ。
あなたにとって「価値を創る」って、どんな瞬間かな。
この本のどの言葉が心に残った？岩尾さんの問いを手に、私たち一緒に、盛者必衰を超える一歩を踏み出せたらいいね。
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